2012年最後のワークショップ


 年内最終週、イレギュラーな26日(水)〜28日(金)というスケージュールでボランティアに来て下さったのは、コープネット事業連合・反町様とコープとうきょう・大矢様でした。誠にありがとうございました。
 26日に開催された、ふくしま土壌クラブ代表・高橋さんと副代表・野崎さんに参加いただいた交流会が濃密なものになったことはfacebookで報告しました。かつてない長文になるやもしれぬその報告は新年最初の課題として自分に課すとして、28日の、今年最後のワークショップ報告をさせていただきます。

左が大矢さん、真ん中が反町さん、そして右がJA新ふくしまの紺野さん。
ワークショップはいつも通り、まずはアンケート記入からお願いしました

 反町さんは昨年7月25日に南相馬へボランティアに行き、そこで津波と放射能両方の問題に悩まされる現地の複雑な状況を感じたことが、福島の現状をしっかり見たい気持ちに繋がったと仰られました。
 そしてそれも初日の福大・石井先生のレクチャーを受け、放射能には実体があり地域によってその散布量も変わり、さらにはそこまで農作物にも移行しないことを知り、実際ご自分が測った土壌からも大きな数字が確認できなかった実体験を経て、偏見がなくなった。
 ボランティアは組織内での関心をもっと喚起し、例えば上司が部下を促したりして、若者の参加が増えるといい。社会からの理解を得るためには、何よりもまずは地元での理解を進める。マスコミ報道は特効薬にならない。だからこそ、例えば組合員に届ける箱の中に「福島の生産者の言葉」を入れるとか、「結局は基本的で地道な取組みが効果をあげるのでは」との助言をいただきました。

 大矢さんは、職場での担当が「参加とネットーワーク推進室」の企画をされているとのことで、日常的に組合員、消費者さんと直に交流されています。
 ボランティアはむしろ「学びの場」と捉えておられ、今までも宮城、岩手を訪れながら「自分には何ができる?」という問題定義を続けてこられたとのこと。それは例えば、組合員リーダーを養成しようとする上で、職員がもし「これをこう学べ」と上から目線では誰も動かない。大事なことは、どれだけ同じ目線に立つかということ。それでこそ自分も新たな問題を発見できるし、結局はそれぞれが学ぶ姿勢を維持し続けることで組合員、消費者が自身を守ることに繋がっていく。
 今回も、福島の生産者の気持ちをどれだけ東京で伝えられるか共に考えて下さり、たくさんの大事な示唆をいただきました。

 今後さらにボランティアを募っていく上で、
「最初は産地見学レベルで、日帰りでも、現場を見てもらうだけでいいのでは」
という反町さんの案がありました。経理部におられることで、ある意味中心から組織全体が見えているかもしれない立場から、
「東京に組合員は約100万世帯。その中でリーダーになろうというもともと意識の高い人は、言ってみれば0.00数%のごく少数。圧倒的多数のそうではない人々に言葉を届ける上で重要なのは、継続的な情報発信。そうやって組織の連携を促し、進む方向性そのものも変えていけば」
とのご指摘をいただきました。

10月に始まって以来、福島の状況、現場スタッフ、事務局サイドやボランティアに来ていただく方々の意識も、すべてが流動的に変わり続けていると語られた紺野さん

  今のペースで順調に進んでも、まず一度JA新ふくしま管内をすべて測り切るまで、あと一年はかかる土壌スクリーニング・プロジェクト。
 現場での作業と試行錯誤、そして情報発信を続けていきます。

12/29/2012
事務局