「原発災害とアカデミズム」出版記念シンポジウム


 2月11日、東大本郷キャンパスにて、3・11と原発災害以降に生まれた福島大学と東京大学の研究者たちの交流の、一つ節目となる一冊の本の出版にあわせ、シンポジウムが開催されました。
 昼休みを挟んで朝10時から18時まで の長丁場に渡るシンポジウムに会場は満席。福島大学からの登壇者の一人は、土壌スクリーニング・プロジェクトを牽引する小山良太准教授でした。


 限られた時間に追われながらの小山先生の報告はいつも通りに頼もしく、ここの27分頃から約15分間、確認できます。そして、濃厚な7時間のテキスト起こしもここに発見しました。

 また事務局は、東大・鬼頭秀一教授のお話に感銘を受けました。

 ここで46分頃から始まるお話の、さらに1時間4分頃から聴くことができますが、鬼頭先生は昨年他界された、水俣病との取組みで知られる熊本大・原田正純医師を引き合いに出しながら、「地を這う視点」について言及されました。
 それは事務局も忘れずにいたいと願いつつ、地元農家に寄り添い、まさに文字通り土壌=「地」そのものに迫りながら現場主義を徹底する福大・小山チームの在り方が重なりました。

 最後に「正直、混乱していて何を喋っていいかわからない」と認めながら真っ直ぐ前を向き、パワーポイントも使わず、抱える苦悩について率直に語られた福大・荒木田岳准教授の姿が印象的でした。

  脱原発より「脱被ばく」と仰る荒木田先生が抱える苦悩については、ここの1時間20分40秒頃から確認できます。
 さらに2時間11分頃、「この渦中にあって何の反省も総括もなく、平気で変節しながらサラサラと流れていってしまうことが問題」と指摘しながら語られた、戦後の日本の姿を「アホらしい感じ」と表現した太宰治へのシンパシーにも、大いに頷くことありました。

 大事な思考のきっかけがたくさんあった一日でした。
 皆さん、大変ご苦労様、そして、ありがとうございました。

2/13/2013
事務局