ワークショップで語られた言葉(5/10・16・23)


 5月10日、16日、23日のワークショップで語られた言葉をまとめました。
 約3ヶ月前の言葉ですが、鮮度は十分に保たれています。現状に追いつくまで、ワークショップでの言葉をお伝えしていきます。

5月10日

同週の交流会からの1ショット。地元農家さんは、土壌クラブから斎藤梨園・斎藤さんと松本果樹園・松本さんに参加いただき、フル参加のボランティアは大阪いづみ・長澤さんでした。加えてならコープから短期参加のお2人と、さらにはDVD用撮影も入り、賑やかな夜でした

大阪いずみ市民生協・長澤さん

「参加のきっかけは上司からの勧めだったが、興味がないわけではなかった。もともと理系出身なので、放射能の原理の基礎知識はあった。

 廃棄物の処理方法も不明で、日本には世界の地震の6割が集中しているのに、原発は実際実用されている。家に広島と長崎の原爆の写真集があり、とにかく『悲惨』という認識だった。しかし、ここまで世の中にバラ撒かれた状況は初めて。

 この状況はある意味、本来してはいけない実験のようで、それでもその中で対策をたてるため、どじょスク!が必要。福島に来て話す機会のあった市民も、ホテルの方々も、農家さんも、皆さんやはり興味あるようで、必要とされているプロジェクトであることは感じた。

 自分自身は姫路の海沿いの出身で、農地に立ち入ったことがなかったので、作業は新鮮だった。作物の色の違い、土壌の固さの違いがわかった。農家さんは真面目で穏やかで、物腰柔らかかった。関西だとこうはならない気がする。皆さん感情の出し方に気をつけているのか、逆にだからこそ、それ以上のものを内面に持っているようにも感じた。

 汚染については、『福島』ということで『ココだから』ではなく、もっとピンポイントに『コレだから』なのに、それが伝わっていない。機械製品なら不良品を見つけやすいが、農作物では仕組みづくりが難しい。だからこそイメージが先行してしまうのか」

 

5月16日

こちらも同週の交流会より、参加いただいたつきだて花工房・千葉さんと福大・朴先生を囲んで、ボランティアの大阪いずみ・谷さん、コープ共済連・小島さん、日生協(関西地連)・小川さん

大阪いずみ市民生協・谷さん

「初日のレクチャーからはじまり、現場や交流会など、『参加させていただいている』感覚。ボランティアに来て、逆に勉強させてもらった感じすらする。現場スタッフもとても気さくだった。会社には日々のことを報告し、すると同世代を中心に反応がある。大阪に戻ってからも経験を共有したい。これまで東北の津波被災地や和歌山の洪水の復興ボランティアに参加してきた。現地に行かないとわからないことがある。今回出会った農家さんの8割くらいに『何してるの?』と聞かれた。プロジェクトが周知されていないのはもったいない。現状打破には測るしかないし、より『知ってもらうこと』は今後の課題」

日本コープ共済連・小島さん

「現地、現状を自分の目で見たいという思いで来た。会ではボランティア派遣の事務局の立場でもあり、今まで参加してきた職員から報告は聞いてきた。実際に来てみて、科学的ベースを初めて知り、それをもって始まる『どじょスク!』の取組みが、トータルとしてよく考えられているなと感じた。少しでも自分で放射能について理解しないと、若い職員に『行け!』と言えない。福島を体験した後は、判断はそれぞれに委ねればいい。取組みそのものはとにかく地味。志が大事。農家さんの心情は、商売云々よりも『自分でつくったものを食べさせたい』に尽きる。それをヒシヒシと感じた。つくったものを、家族にも素直に喜んでもらえない今の状況は、悔しいだろう」

日本生協連(関西地連)・小川さん

「レクチャーは専門の先生によるさすがなもので、しかしレベルと差についていけなかった。とはいえ、どじょスク!の意義はわかった。映像も交えてもらえるとさらに良かったかもしれない。スタッフはいい人ばかり。ボランティアに参加したのは阪神大震災以来。直接のきっかけは沖縄で基地巡りをしたこと。現地に行ってショックを受け、現場に行くことの大切さを再確認した。今まで福祉に携わってきて、この3月から嘱託となり、生協の役割は地域との繋がりをつくることと考える。実際に測定して数値を見て存在を確認し、大変なんだと思った。作業中に近寄ってくる農家さん、当事者の方々の話に心動かされた。生の声は強い。この想いが伝われば良い」

5月23日

本来のワークショップからの1ショット。だんだんとかたちが見えてきた農地の放射性物質分布マップについて説明する、JA新ふく・紺野さん。フル参加のコンシェルジュ・津田さんと途中参加の日生協・渡部さん、大変お疲れ様でした

大阪いずみ市民生協/(株)コンシェルジュ・津田さん

「大阪と福島の温度差を感じた。大阪では情報も持たずに判断してしまう。自分自身も上司から言われて参加した立場であるが、一人でも多くの職員に参加して欲しいと思う。福島以外の県、府にも原発はある。正しい情報なくしては比較する対象すらない。スタッフは楽しい方が多かった。現場では測定する圃場探しに手間取った。暑さも虫も、夏本場の今後と比べれば、大したことない」

日本生協連・渡部さん

「どんな調査をしているか知りたかった。数値は4〜5000ベクレルが普通なのか?でもその隣で800〜2000ベクレルだったりする。かと思うと7000ベクレル出る場所がある。見た目では変わらないのにそれだけ違いがあり、見えない放射能の怖さを実感した。昔は商品検査担当だった。経験上、改めてレクチャーの大切さを実感した。昔は愛媛にいて、主要農業フルーツはみかん類しかないが、福島では桃、りんご、梨の木の見分け方を勉強した」

8/27/2013
事務局