くらし応援募金

安心して住める「福島」を取り戻すため、以下の取り組みも行っています。合わせてのご支援よろしくお願いします。

福島県生協連では、福島の子ども保養プロジェクトに取り組んでいます。 くらし応援募金への協力をお願いします。

 福島の復興・未来を担う子どもたちの健康を守る取り組みは最重要課題です。

春から夏にかけては、放射線量のモニタリング、校庭の表土除去が大きな問題でした。遅々として進まない対策のため、夏休みに幼稚園や学校から多くの子どもたちが転園・転校しました。

 何よりもっとも悲しい原発疎開と呼ばれる19,386人の子供たちです。これは津波の影響もありますが大部分は原発事故への不安がもたらした事態です。この数値は12月までに県内外に転校・転園を経験した小中学生と幼稚園児の数で、うち地元の学校や園に戻ったのはわずか7%に過ぎない1,424人となっています。疎開する子どもたちは、後を絶たず、夏休みに加速し、今も増え続け、歯止めがかかっていません。

 夏休み中に県内の多くの園・校庭で表土除去がおこなわれ、9月から屋外活動が再開されました。

 しかし、表土除去をしても放射線量が低減していない園・学校があり、そこではいまだに屋外活動を開始できていなかったり、短時間に制限したりしています。さらに、通学路、公園、家屋の除染は、一部地域でようやく始まったばかりで、多くの子どもたちが放課後や休日に外遊びができない状況が続いています。

 学校以外の生活圏の除染がなかなか進まず、保護者の不安解消に至っていません。 乳幼児を育てる保護者の状況はより深刻です。

 日々の子育ての不安に加えて、食事をどのようにしたらよいのか、家屋の除染はどうなるのか、子どもの健康は本当に大丈夫なのか等、不安が尽きません。さまざまな理由によって避難できないことに悩み、さらに家族や親族、友人の理解が得られずに孤立したり、絶望したりするケースも見受けられます。

 福島県生協連では、こうした子どもたちや保護者に寄り添いながら、できる限りの支援をしたいということで、福島大学災害復興研究所とつながりながら、「福島の子ども保養プロジェクト」の実施を計画することとしました。

 休日・祝日・長期休暇を利用して、放射線量の低い福島県の南会津地域や福島県外に子どもと保護者を連れ出し、子どもたちが十分に外遊びできる企画、保護者の疲れを癒す企画、受け入れ地域の方々と交流する企画等を実施したいと考えています。のびのびと遊ぶ子どもたちの笑顔を取り戻すために、日本生協連を通じて、全国の生協の仲間に支援のご協力を呼びかけさせていただいております。


福島県生協連では、放射性物質汚染マップの作成と消費者自身が安全検査に関わる体制づくりと認証制度の構築を進めます。 汚染マップづくりボランティアの協力と検査機器購入のための募金活動へのお取組みをよろしくお願いします。

 原発事故により、福島県は多大な被害を被るとともに復旧・復興の目途すら立たない状況に追い込まれています。

 現在の福島県農業の問題は、第1に、規制値を超える品目が毎月のように検出されるため、風評問題が全く終息しないことです。4・5月は野菜類、6月は牧草、7月は稲わら、8月は肉用牛、9月はキノコ類と毎月のように報道される状況です。第2に、風評の問題は農業から観光、暮らし・生活の問題に波及しており、福島県からの大幅な人口流出が懸念される状況となっています。

 その根源的な原因は全農地を対象とした放射性物質汚染マップの作成が実施されていない点にあります。

 汚染マップをベースとした安全検査体制の構築とそれに対応した流通システムの形成が求められています。

 また汚染マップの作成は損害構造の解明に必要不可欠です。 突然の原発事故・放射能汚染で本年の営農計画を断絶された生産者は完全な被害者であり、その後の対策における不作為により翻弄されている消費者も被害者です。 被害者同士で対立しあう関係は悲劇です。

 限定的な情報のもとで「風評被害」、その一方での「福島応援」といったキーワードが氾濫し、本来同じ被害者であるはずの生産者と消費者が対立するといった悲劇が繰り返されているのが現状です。

 風評問題の原因は、安全検査の信頼性の欠如(サンプルの精度)、安全基準根拠の不明確性にあります。 その根源的問題は農地の汚染マップが作成されない中でのサンプル調査である点にあります。

  では、何故詳細な汚染マップを作成しないのか?これには幾つかの問題があります。

 一つは、検査機器の不足です。 2011年9月現在で、福島県には福島県農業総合研究センターに10台、福島大学に2台、民間検査機関に数台のゲルマニウム半導体検出器が導入されています。 それでも検査精度を上げるには、検査時間の確保が必要であり、検査できる検体は限られます。検査機器の充実のための支援をよろしくお願いします。 出荷前農産物の検査が優先されるため土壌分析にまで手が回らないのが現状です。

 二つ目の理由は、簡易ベクレルモニターで土壌汚染度を簡易測定(後述)するという方法がありますが、検査精度の問題を専門家が指摘しているため、公的には実施されていない状況にあります。

 三つ目の理由は、土壌汚染マップの作成は損害賠償請求の問題に直結するため、二の足を踏んでいるのではないかと「推測」される点です。この理由に関しては、「賠償」と現実の「損害」を分けて考える必要があります。 国民の食料の問題、健康の問題を考えれば、真の損害状況を早急に調査する必要があります。農地のみならず、海洋汚染、森林汚染についても同様であるといえます。

 このような現状に対し、下記のような4段階に体系立てた安全検査が必要です。

 第1段階は、田んぼ一枚ごとの土壌分析と全域放射能汚染農地マップの作成です。各集落ごとに田んぼ・畑一枚ごとの汚染マップを作成することが必要です。 これにより汚染度合いに応じた対応が可能になります。例えば、高濃度であれば作付制限、中濃度であれば除染、低濃度であれば除染作物の作付など、被害状況に応じて対応策を講じることが出来ます。

 第2段階は、作物の予備検査から放射性物質の移行率を測定することです。 現在の検査では土壌汚染度を測定していないため移行率を計れません。 地域、作物の品種、地質、地目によって移行率は異なる可能性があります。 ただ予備検査を行い出荷制限を判断する段階から次年度以降のためにデータ収集を行うことが必要です。今後も同じ混乱を続けることは避けなければなりません。

 第3段階は、現行実施されている出荷前検査の拡大です。 福島県は独自にサンプル数を増やし、徹底した調査を行う体制を目指しています。 問題は県独自という点にあります。放射能汚染は福島県のみ留まっていません。 にも関わらず、国の明確な指針がないため、地域ごとに検査の精度が異なっているのが現状です。 福島県のND(Not Detected:検出限界)は10ベクレル以下ですが、この基準は地域・検査体制によってまちまちです。このような現状が風評、不安感の原因となっています。

 第4段階は、消費地における購買時点検査体制の構築です。 全品検査は難しいとしても、例えば直売所、公民館単位にベクレルモニターを1台配備するなどという対策が将来的には必要となります。

 このような体系立てた検査体制の確立により、復興・再生計画の策定・実践が可能となります。

 現在、各農家、各地域、各企業独自に検査をする動きがあります。 しかし、検査機器、方法は各自バラバラです。 統一の検査マニュアルの作成と検査基準の設定が必要です。

 また、生産段階の検査だけでは不足であり、流通段階との連携が必要であるといえます。

 汚染マップの作成と実際の移行率に基づく作付けと結果確認、検査のボランティアを募集する計画があります。

 こうした取り組みに参加することで、福島県の実情を知り、福島県に寄り添う体制づくりに役立てたいと考えています。

 皆様のご協力をお願いいたします!