全国の生協から31組織、延361名のボランティアに参加いただきました「土壌スクリーニングプロジェクト」は、果樹園10,158筆・27,308地点、水田24,480筆・63,256地点、大豆等畑566圃場・1,465地点、合計35,204筆・92,029地点すべての測定を終了しました。
この間のご支援に心から感謝申し上げます。
最終的な報告については、現在とりまとめ中ですので、今しばらくお待ちください。
今年の3月26日には、ICAのチャールズ・グルード事務局長やマーティン・ローリー理事、イタリア協同組合連合ブリュッセル事務所のエンゾ・ペツイーニ氏が、JA新ふくしまを来訪され、土壌スクリーニングプロジェクトを初めとした農産物の安全・安心を確保するための取り組みなどを視察されました。
ローリー理事からは「食料確保のために活動する農家や協同組合は、世界でもっと評価されるべきだ」とのご意見をいただき、3月31日にシンガポールで開催されたICA理事会において、そのような報告をされたと聞き及んでいます。
さて、土壌スクリーニングプロジェクト調査結果の一部を紹介しますと、水田の平均値は1,354ベクレルで、最大値は16,222ベクレル、最小値は4ベクレルでした。
5,000ベクレルを超える水田は169ポイントで、集約された水田のポイント総数が53,739ポイントですから、わずか0.31%です。
但し、この数値がひとり歩きしないような配慮が必要です。
その水田でも2014年米づくりが行われました。
2014年産米の全袋検査の結果は、約1,075万袋のうち、検出限界値の25ベクレル未満は99.98%でしたし、出荷制限の100ベクレルを超える米は、ありませんでした。詳細検査でも51~75ベクレルが1袋、76~100ベクレルが1袋という結果でした。
つまり、放射性物質の分布が比較的高いと思われる水田でも対策を行うことで、問題のないお米をつくることができるということです。もっと大事なことは、大量の放射性物質で汚染された農地では、そもそも作付けがされていないということです。
その他にも放射性セシウムが根から農作物に移行する移行係数というものが、すべての作物でわかってきました。 原発事故当初は、空気中にただよう放射性物質が葉につき、基準値を超えることがありました。
しかし土に付いたセシウムが根から農作物に移ることは、葉からの1000~1万分の1程度しかありません。さらに、吸収抑制対策や除染の効果です。土の中に塩化カリウムを入れ、土からの吸収をさらに抑えた対策をとっています。また、高圧洗浄機の使用や、果物の樹皮をはぐなどの除染対策をとりました。
そして、大震災から4年たち、含有量が自然に減ってきていることです。セシウム総量の半分であるセシウム134は、半減期が2年です。また台風などがきたため、農地の濃度は低くなっています。
コメについては全量全袋を検査。畜産や、名産のあんぽ柿も全て検査しています。野菜は一部を抽出するサンプル調査ですが、圧倒的にサンプル数は多く、徹底して調べているので、流通品については、安全は確保されていると考えています。
現在、土壌スクリーニングについては、JA福島中央会の「農地の放射性物質濃度の測定を利用した本県農畜産物の安全・安心確保対策」において、継続した取組みが行われています。