カテゴリー別アーカイブ: 交流会

6月5日(水)の交流会


 去る6月5日(水)の交流会、どじょスク!も大変お世話になっています、「ふくしま土壌クラブ」から、斎藤隆雄さんに参加いただきました。
 ありがとうございました。
 斎藤さんのお言葉が、そもそも311前からの、真摯な農業への姿勢が、この未曾有の原発災害に立ち向かう上で頼もしく、貴重な力となっている証のように感じました。
 以下、お伝えいたします。

ボランティア参加いただいた山根さん、活力溢れる大阪の息吹、ありがとうございました。毎週お世話になっている大阪いずみ市民生協様、大変助かっております。深謝いたします。

 植物を栽培することについての、最も基本的な部分の自分の考え方なのですが、人間を育てるのとほぼ一緒です。

 主体はあくまでも植物(果樹や野菜)にあって、人間の役割はその成長を手助けすることにあります。つまり、美味しい果物・野菜が育つ環境を整える、人間のできるレベルで手助けするということです。

 そしてその環境を将来に渡って維持していくことは、未来の人たちに対する責務でもあると思っています。 続きを読む

2013年5月15日(水)の交流会


  更新滞り気味な事務局ブログ。国内外からの来客と現場視察、プロジェクトアピール用の新たなDVD制作、夏に控える諸々イベントの準備に追われています。
 福島からお届けしたい出来事、語られた言葉は恒常的にある中で、今週水曜夜に行われた交流会も印象的で、胸に響くものでした。
 今回ご参加いただいた地元生産農家さんは、伊達市月舘町の宿泊施設「つきだて花工房」で直売所を運営される千葉英行さん。福大・朴先生にご紹介いただきました。

今週来福いただいたボランティアは、コープ共済連・小島様、日生協関西地連・小川様、大阪いずみ市民生協・谷様。プロジェクトには福大・小山チームから朴先生、林先生の支援も加わり、前進しています

  月舘町は、高い線量から「帰還困難区域」、「居住制限区域」等々に指定され、期せずして、原発事故でふりかかった苦難と共にその名が全国区となってしまった飯舘村や川俣町に隣接しています。
 町には、昔は5000人以上いた町民も今は3000人以下。限界集落も多く、そんな場所で何かをしようとする時、行政とケンカしても勝負にならない。だからこそ「1人ずつでも、仲間を増やそう」という気持ちでここまできたと、千葉さん。その、地域の声を代弁されてきた言葉には、揺るがぬ説得力がありました。

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二本松有機農業研究会・大内信一氏との交流会


 2012年11月21日、福島県の有機農業の第一人者、二本松有機農業研究会・大内信一さんをお招きしての交流会がありました。

 特に有害物質に敏感であろう有機農家にとって、昨年の原発事故がどれだけの衝撃だったかは想像に難くありません。しかし事故直後、ガソリンの確保もできてないうちから、「やってみなきゃわからんだろう!」と畑を耕しはじめた大内さんの姿には、跡継ぎの御子息も驚かれたといいます。

 たとえ放射性物質が降り注いでも、長い年月とそれこそ命をかけ、丹念につくってきた土の一番いい部分を5センチも剥ぎ取る痛みは筆舌に尽くし難い。そして、降り注いだセシウムを直に受け止めたほうれん草からは高い線量が確認されたのに、その後に育って5月に収穫したほうれん草からは、セシウムは出なかった。加えて長ネギ、玉葱からも放射性物質は検出されない。さらにはじゃがいも、さつまいも等、芋類からも出ませんでした。

 その時大内さんはこう思ったと言います。

「我々は、土の力と作物の知恵に助けられた」

みずみずしく、美しく、そして美味しい、大内さんの野菜

 以下は、大内さんを紹介くださった福大・小山チームの石井秀樹特任助教と県生協連・佐藤専務も交えた、「生産、研究、流通の交流」現場の報告です。 続きを読む

「福島のためになることがしたかった」


 12月19日晩の交流会ゲストは、JA新ふくしまのスクリーニング・スタッフであり兼業農家である、阿部さんに来ていただきました。
 全国から来福されたボランティアの皆様には、2人で1チームとなる現地スタッフ3人目のサポート要員として作業いただいています。日々稼動している現地スタッフ8名で4チームが編成され、その中にあってリーダー的存在として活躍されているのが阿部さんです。
「どうせする仕事なんだから、楽しくすべき。だから私は月曜日からやる気で臨むんです」
 この週ボランティアに来て下さったのは、コープにいがた・大島様とコープ共済連・松本様。

月曜のレクチャーには、コープネット事業連合広報室より、鈴木さんが取材のため同席されました。記事は来年3月に発刊される、コープネット組合の広報誌に掲載されるとのことです

 新潟の御実家が農家の大島さんと、効果的な情報発信のツボを教示くださった松本さんのお話に、ご多忙の中顔を出してくださった福大・小山先生も加わり、そこで期せずして噛み合ったのは、 続きを読む

今こそ「適地適作」を福島で


 12月12日の交流会には、36歳の若き桃農家、菅野純一さんに参加していただきました。
 この週のボランティアには日生協より山田様、コープながのより山岸様が来福。その次の日にあったワークショップまで含め、報告いたします。

「新人農家として、この現状が逆にチャンスにも思えるんです」
 これは会を終え、理解が深まってみて、改めて印象的だった菅野さんの言葉です。

菅野さんの言葉に耳を傾ける山田さんと山岸さん

 3・11は、菅野さんが兼業農家から専業にうつった途端に起きました。それでも挫けずにここまで来られた理由を聞くと、
「こんな状況になって、もしここから突破できる何かができたら、それは地球上で初めて、つまり世界初じゃないですか。そう考えたら開き直っちゃって(笑)」
 穏やかな笑顔の菅野さん。ではどこに、そのチャンスを見出しているのでしょうか。 続きを読む

JA新ふくしま・紺野茂美氏との交流会


 「土壌スクリーニング・プロジェクト」は、チェルノブイリと福島の事故以降総動員された頭脳、知見に、甚大な苦労と必然的な偶然が加わって始動しました。
 人類初体験の状況下、プロジェクトに関わっている人々は当然「こんなことはかつてなかった」と口を揃えます。そして、福島県生協連の事務局に対し、JA新ふくしまの担当として最も近く、その渦中、最前線で対応してくださっているのが、紺野茂美さんです。
 時は少し遡って、11月27日の夜。
 コープしがから神門さんと、最後には遅れて参加された生協総研・林さんも加わって、プロジェクト始動までの苦労、そして時には生協創始の核心まで触れる、濃い夜の報告です。

事務局 JAに勤めてどれくらいになりますか?
紺野 長いよ。もう35年だね。
事務局 土壌スクリーニング・プロジェクトは、JA新ふくしま菅野専務の英断を経て始動したと聞いています。そこから、どういう経緯で紺野さんが担当に着任されたんですか?
紺野 ウチは明確な担当はないの。こういう、「前例のないことに対応する」というと「誰にやらそうか」って、できるのは機動性のあるやつってことで「いいっすよ、オレ」って(笑)。そこからのことは話せば長いんだけど、 続きを読む

8週目終了


 10月の2週目を皮切りに始まった「土壌スクリーニング・プロジェクト」。当初、少なからずあったボランティア無しの週を除き、本日12/7(金)で無事8週目が終わりました。
 今週ボランティア参加してくださったのは奈良から山本さん、中村さん、大澤さんのお三方と、群馬から高橋さんの計4名。 雨も降り、何よりも厳しい寒さの中、作業誠にご苦労様でした。
 はじめて女性の生産農家さんが参加された交流会と、最終日のワークショップについて報告します。

 交流会に来てくださった須藤陽子さんはスローフード福島の代表。最近もイタリアはトリノで開催された祭典で、世界150カ国から集まった参加者たちに福島の今を伝えるスピーチをされてきました。 続きを読む

福島大学・小松知未博士(農学)との交流会


 11月14日に開催された交流会の報告です。
 今回は長野から木下様、東京から依田様と田中様を迎え、地元福島の生産農家黒澤様と斎藤様、そして土壌スクリーニング・プロジェクトを牽引する福大・小山チームより小松先生に参加いただきました。
 黒澤、斎藤両氏の言葉からは福島の農業を取巻く、どうしても理不尽にうつる状況が垣間見える気がします。そして小松先生については、昨年11月に、週刊朝日に次のような記事が掲載されました。

ほぼちょうど一年前、
2011年11月18日号

 小山チームは、現在この土壌スクリーニング・プロジェクトがJA新ふくしま管内で制作中の詳細な放射性物質分布マップを、すでに伊達市霊山小国地区でつくっています。
 小松先生の言葉一つ一つは、それこそ約1年間福島の農業復興の取組み最先端で培われた知見に富み、その経験に支えられてか力強く、頼もしいものでした。


木下 今日行ったところではほうれん草をつくっているところがありました。その先の田んぼで、土壌にだいたい4000ベクレルくらいあったんです。大丈夫なんでしょうか?

小松 実際、野菜からセシウムは出ていません。その上で今も、 続きを読む

10月31日夜の交流会で話されたこと


 先月10月最終週はコープネット齋藤さん、コープとうきょう保坂さんとパルシステム松本さんが来福され、水曜夜恒例の生産農家さんとの交流会には、「ふくしま土壌クラブ」(以下、土壌クラブ)代表の高橋さんが参加してくださいました。
 土壌クラブは福大・小山チームと連動し、11月8日には福島大学主催、文科省前での「霞ヶ関マルシェ」にも参加してきたばかり。しかも、そもそもクラブの皆さんは小山先生と出会う前から、3・11後の福島での土壌計測の必要性に気づき、自ら機器を購入して計測を開始していたと言います。
 美味しい果物をつくり、「仲間でTPPを恐れる人間はいませんでした」と言えるのが当り前なほどの消費者との信頼関係を築き、逞しく、もしかしたら農業本来の理想的なかたちを実践してきた土壌クラブ。
 話に耳を傾けていた県生協連佐藤専務が思わず、
「それはこのボランティアもそうで、そういう、人と人との繋がりが協同組合の原点でもあると思うんです。これからも私はこうして、皆さんとの出会いを大事にしていきたい」
と仰るほど示唆に富む、心籠った言葉が飛び交った夜でした。
 中身を凝縮し、字数で約5000字まで整理しました。なるべくその時の空気までがそのまま伝わるよう、お届けします。

交流会前には、県生協連にて熊谷会長からの挨拶もありました

 高橋 私たちの取組みのきっかけといったら、去年一年間も果物はつくって売ってたんですけれども、もちろんこんなことになるなんて思わずつくってきたわけです。 続きを読む