「生協、福島にて」
はじめまして。
この度は貴重なご機会、感謝いたします。本日は約1年半、福島にて、約60週にわたり約300人の生協職員ボランティアを受入れてきた現場から、話させていただきます。
まず、そもそも私は、福島の人間でも生協の人間でもありません。2000年にNYの美大を卒業以降、説明し難い振り幅で、50誌以上の媒体に書き散らかすフリーのライターでした。
活動の根底にあるのは、短い言葉で説明を試みますと「活性化」ということです。
小さな頃から、テレビで政治家の汚職や世界各地で起きる紛争を見るにつけ、「大人は何故当り前のことをしないのか」と感じてきました。「他人を敬う」とか、「ウソをつかない」といった、当り前のことがまかり通ってないから、社会の矛盾がなくならない。
とはいえ、それを愚直に言っても無駄なことは、人から指示されると逆らう自分のタチからわかっていました。
ではたぶん、人間は考えるきっかけさえあれば、誰でもたいてい正しい道を進むはず。ここでは「人間」や「正しい」の定義は脇に置きつつ、社会に「考えるきっかけ」を投入、つまり「活性化」し、議論を生み、そこでおのずと「正論」が浮かんでくる。
そういうイメージを常に抱いてきました。そしてその上で、いつも最大の敵は「無関心」です。そのように活動をして10年以上が経ちます。
その渦中で、福島にて「生協」という大組織に見せつけられた可能性がありました。 続きを読む