果樹園から田んぼのスクリーニングへ


 10月29日より、スクリーニングの現場は果樹園から田んぼに代わりました。

 果樹園との最大の違いはやはり、長靴が必須なこと。また、田んぼは薬物散布の必要がないこともあり、住宅地の真ん中に唐突に姿を現します。

 果樹園のように、果実や蜘蛛の巣を避けつつ腰をかがめながら前に進むこともなく、移動先への見晴らしもいいので、直線の動きが多くなります。変化が少ないので、作業はより淡々としたイメージになるかもしれません。

 また、スクリーニング場所の選定の仕方も独特です。それは、引いた水が最初に入ってくる水口(みなぐち)、田んぼの中央、水の出ていく水尻の3点。時に、作業に慣れているスクリーニング・スタッフでも水口と水尻を見つけるのに苦労していることがあり、やっと見つけた水口も、そうと言われてもわからないほどでした。

 線量は、放射性物質は水口に溜まる傾向が強く、次に水尻、そして中央はいつも比較的低いようです。一枚の田んぼの中でもそれだけ線量が違うことを目の当たりにするにつけ、行政が2キロ・メッシュでの測定を根拠に作成した放射性物質分布マップの信憑性に、疑問が生じます。

 30日の午後、瀬上町界隈での作業に帯同させていただきました。移動中の車内でJA新ふくしまの国分さんが呟いた、
「米はやっぱり主食のものだから、しっかり測らないとならねえ」
との言葉が、印象的でした。

11月4日朝
事務局