初日のレクチャーと3日間の現場作業、その作業に伴うスクリーニング・スタッフとの交流、3日目夜に設定されている地元生産農家さんとの交流会を経て、全国各地から来福されたボランティア皆さんが4日間のプログラム最後にワークショップで語られる言葉に、事務局は勉強させていただいています。
これから少しずつ、数ヶ月分にわたる大切なそれらをまとめていきます。
4/18(木)
コープながの・西沢和宏さん:
「役に立つ活動がしたかった。一昨年からコープネットの協同組合フェスでは『東北を忘れない』と言ってきた。宮城、岩手には行った。なぜどじょスク!PJが必要な活動であることは理解できた。長野には福島の情報はほぼないし、忘れやすいのは日本人の悪いクセ。来てみたら、放射能は目に見えなくても数値が実際にあった。細かく調べる意義がある。福島の復活なくして日本の農業の復活はない。現場スタッフが良かった。共に過ごした測定の2分間の待ち時間から、見えていなかった311が見えた気がした」
コープ共済連・青木覚さん:
「震災以降何もしてこなかった自分がいた。放射能についてはやはりわからないことが多いが、少なくとも福島は測っている。地元千葉では必ずしも誰もが意識あるわけではなく、福島ではみんなどこが高いのかわかっていた。生協は消費者団体であり『社会に協同組合はあるべき』と思ってきた。福島では熱いやりとりがあった。今は正直必ずしもカッコよくないかもしれない生協について、紺野さんの『生協をカッコよくしなきゃいけない』という言葉が印象的」
コープ共済連・正岡尚子さん:
「放射能は見えないのでとても恐い。しかし、もともと農業に興味もあり、テレビは不安を煽るだけなので、できるコトがないか現地に来てみた。最初の講義から驚いた。測定器の種類も、放射性物質の各種もたくさんあり、カリウムでセシウムの吸収を止められる話等、今までの概念がひっくり返った。農家の方々や福島に住む方々の生の声が聞けた。関西出身で福島のことを知らなかったが、観光で来るより福島のことを知れた。交流会での農家さんが、原発事故直後に作物を捨て続けたことを『虚無の境地』と仰っていたのが胸に刺さった。このプロジェクトはJAさんと生 協が協力していることがすごい。今回をきっかけに自分の問題意識を掘り下げたい」
大阪いずみ市民生協・中野勉さん:
「今まで福島に来ていた同僚の報告メールはみていた。コトの発端は何なのか?そもそもの話がなかなかない。印象に残ったのは、スタッフの方々がアルバイトだということ。それでも、ロケットで測定する時の置き方をしっかり直された。適当ではなかった。単純な積み重ねの力。『それに引き換え国は?』と、腹が立ってくる。思い込み、誤解を生まないために情報は大事。正しい数字を表に出してやっていくこと。若い人の参加から未来が生まれる。生産者が若ければ、より明るい将来もある」
4/25(木)
全岐阜生協連・河原洋之さん:
「どじょスク!のことは2月に初めて知ったが、ぜひ参加したいと思った。これは地味な作業だが、だからこそ力となっており、あやふやでない本当のデータをとっている。しかし例えば2000ベクレルといって、それがどの程度かはよくわからない。私は、現地は悲壮感を持ち、遮二無二この作業をやっているのかと想像して来たら、比較的ゆったりと継続できるペースでやっていたのが意外だった。現場スタッフがアルバイトとして雇用された人ということがある意味ショックで、ある意味ジーンときた。この作業を支えている若者たちが、自分のような歳の人間に、あんな風に語りかけてもらえてありがたかった」
コープぎふ・三島裕彦さん:
「去年福島の桃を店で扱ったが、それ以上自分の言葉でお客さんに伝えられることがなかった。そこが引っかかっていた。東北の他の場所や和歌山の水害には行ってきたが、2年前から福島に来るきっかけがなかった。それが今回福島に関する報告があり、上司に相談無しに参加を決め、怒られもした。組合員さんに、現地について伝えたかった。今回1日34圃場、102ポイント測れた。モチベーションを保つのに『記録』というのもいいかもしれない。作業中近寄ってくる農家さんにプロジェクトは認知されていた。福島に来たらニュースのトップは必ず放射能関係だった。東海でそれはない。2000ベクレルを判断する物差しが未だにない。それを導き出すためにも、測りたい」
コープにいがた・佐藤崇さん:
「過去会津には来ること何度もあった。新潟には組合員に、福島から避難してきた方がいる。だから、その苦労を聞く機会はあったが、自分で見てみたかった。放射線についての知識は現地に行く前は『知っていたつもり』の範囲でしかなく、現地に行ってみて実態を知る中で数値基準などが実感できた。以前はただ漫然と恐かった。現場で測っていると、農家さんが話しかけてくる。地域として意識が一つになっているのは、やはり現地ならでは。自分もどこかで他人事だったかもしれない。作業は3日間同じ方と組めてやりやすかった」
大阪いずみ市民生協・藤山聖彦さん:
「会社の要請があって来た。ずっとバイヤーをやっていたので、2012年は3回来福し、会津のお米を扱った。米の全袋検査現場も見た。消費者にどう生協ならではのアナウンスができるか。どう自己満足を超えた情報共有ができるのか。当時、実際会津の米に関してはクレームもきた。大事な基本姿勢は『美味しい』。聞かれた時に科学的裏付けについて話せればいい。マスコミを含めて情報発信が重要。過剰に『安全、安心』をアナウンスするよりも、まず美味しくて、そこに値段と裏付けがあれば、あとはお客さん次第。確かに消費者の求めているものは難しいが、同時に、意外と冷静」
7/18/2013
事務局