作成者別アーカイブ: dojojimukyoku

今こそ「適地適作」を福島で


 12月12日の交流会には、36歳の若き桃農家、菅野純一さんに参加していただきました。
 この週のボランティアには日生協より山田様、コープながのより山岸様が来福。その次の日にあったワークショップまで含め、報告いたします。

「新人農家として、この現状が逆にチャンスにも思えるんです」
 これは会を終え、理解が深まってみて、改めて印象的だった菅野さんの言葉です。

菅野さんの言葉に耳を傾ける山田さんと山岸さん

 3・11は、菅野さんが兼業農家から専業にうつった途端に起きました。それでも挫けずにここまで来られた理由を聞くと、
「こんな状況になって、もしここから突破できる何かができたら、それは地球上で初めて、つまり世界初じゃないですか。そう考えたら開き直っちゃって(笑)」
 穏やかな笑顔の菅野さん。ではどこに、そのチャンスを見出しているのでしょうか。 続きを読む

冬場の服装について


 福島は今朝も粉雪が舞っていました。
 今日も明日も天気予報の最低気温は0度。
 本格的に雪が降り積もって作業が中止するまで、寒さ対策は必須です。JA新ふくしま・紺野さんからいただいた、作業服の注意を共有させていただきます。

1、雨の場合は傘です。
2、通常の上下のカッパがあると良いです。
3、雪の場合は、上下の防寒着が必要です。
4、長靴は必須です。中敷があるともっとよいです。
5、靴下は少し厚手のもので蒸れないものがよいです。
6、手袋、毛糸の耳が隠れる帽子、ネッグウオーマー等の防寒対策が必要です。
7、基本的に汚れせんが、田んぼの歩き方で汚れます。馴れですね。

 事務局も先週金曜、丸一日作業に参加してきました。下に写真で報告させていただきます。

この広大な田んぼを毎日、一枚一枚、一枚につき3点ずつ、とにかく測っていく作業です。天気が良くとも、風で体感温度が大きく変わります


12/20/2012
事務局

JA新ふくしま・紺野茂美氏との交流会


 「土壌スクリーニング・プロジェクト」は、チェルノブイリと福島の事故以降総動員された頭脳、知見に、甚大な苦労と必然的な偶然が加わって始動しました。
 人類初体験の状況下、プロジェクトに関わっている人々は当然「こんなことはかつてなかった」と口を揃えます。そして、福島県生協連の事務局に対し、JA新ふくしまの担当として最も近く、その渦中、最前線で対応してくださっているのが、紺野茂美さんです。
 時は少し遡って、11月27日の夜。
 コープしがから神門さんと、最後には遅れて参加された生協総研・林さんも加わって、プロジェクト始動までの苦労、そして時には生協創始の核心まで触れる、濃い夜の報告です。

事務局 JAに勤めてどれくらいになりますか?
紺野 長いよ。もう35年だね。
事務局 土壌スクリーニング・プロジェクトは、JA新ふくしま菅野専務の英断を経て始動したと聞いています。そこから、どういう経緯で紺野さんが担当に着任されたんですか?
紺野 ウチは明確な担当はないの。こういう、「前例のないことに対応する」というと「誰にやらそうか」って、できるのは機動性のあるやつってことで「いいっすよ、オレ」って(笑)。そこからのことは話せば長いんだけど、 続きを読む

8週目終了


 10月の2週目を皮切りに始まった「土壌スクリーニング・プロジェクト」。当初、少なからずあったボランティア無しの週を除き、本日12/7(金)で無事8週目が終わりました。
 今週ボランティア参加してくださったのは奈良から山本さん、中村さん、大澤さんのお三方と、群馬から高橋さんの計4名。 雨も降り、何よりも厳しい寒さの中、作業誠にご苦労様でした。
 はじめて女性の生産農家さんが参加された交流会と、最終日のワークショップについて報告します。

 交流会に来てくださった須藤陽子さんはスローフード福島の代表。最近もイタリアはトリノで開催された祭典で、世界150カ国から集まった参加者たちに福島の今を伝えるスピーチをされてきました。 続きを読む

具体的な数字


 土壌スクリーニング・プロジェクトの進捗状況を伝える、数字の話題(12月3日現在)です。
 まず、10月いっぱいで一区切りした果樹園。

総筆数10,058→調査済4,412 

ということで、ここまで全体の44%を調査。あくまで予定ですが、来年5月から再開、9月いっぱいで終了となります。
 そして、現在まさに調査中の水田。

総筆数28,382→調査済3,211

 こちらはまだ11%。つまり、来年4月に田植えが始まる前には到底終わらぬ状況です。残りは来年お米の収穫後10月に再開し、12月終了予定です。 続きを読む

木、金、土曜日のできごと


 木曜夕刻のワークショップは生協総研の林さん、とちぎコープ関口さんとで行われました。
 今週のボランティア参加は月、火でコープしが神門さん。水、木で林さん。木で関口さんと、かつてなく不規則。そこに、林さんから「4日間ということで参加が難しいこともある。また、そろそろ関東圏では放射能について、多少の予備知識もあるだろう。レクチャー含め大事なエッセンスだけを残した、リピーターにも柔軟に対応できる、『2日間コース』を設立すべきでは?」という提案をいただきました。

ご提案、ご提言、いつでもお待ちしております。参考にさせていただき、
いつも今より少しでもよいかたちを提供できますよう、心掛けます

 是非検討、導入させていただければと思います。
 また、隣の栃木県から初ボランティアとなる関口さんは、 続きを読む

福島大学・小松知未博士(農学)との交流会


 11月14日に開催された交流会の報告です。
 今回は長野から木下様、東京から依田様と田中様を迎え、地元福島の生産農家黒澤様と斎藤様、そして土壌スクリーニング・プロジェクトを牽引する福大・小山チームより小松先生に参加いただきました。
 黒澤、斎藤両氏の言葉からは福島の農業を取巻く、どうしても理不尽にうつる状況が垣間見える気がします。そして小松先生については、昨年11月に、週刊朝日に次のような記事が掲載されました。

ほぼちょうど一年前、
2011年11月18日号

 小山チームは、現在この土壌スクリーニング・プロジェクトがJA新ふくしま管内で制作中の詳細な放射性物質分布マップを、すでに伊達市霊山小国地区でつくっています。
 小松先生の言葉一つ一つは、それこそ約1年間福島の農業復興の取組み最先端で培われた知見に富み、その経験に支えられてか力強く、頼もしいものでした。


木下 今日行ったところではほうれん草をつくっているところがありました。その先の田んぼで、土壌にだいたい4000ベクレルくらいあったんです。大丈夫なんでしょうか?

小松 実際、野菜からセシウムは出ていません。その上で今も、 続きを読む

11月22日(木)のワークショップ


 11月19日の週はならコープから能地さん、辻本さん、沖山さんが、そしていばらきコープより鈴木さんが来福されました。ありがとうございました。

 21日には辻本さんがボランティア参加されたチームの現場に、福島視察に来られた岡山県生協連、鳥取県生協連の皆様総勢約20名をお連れし、お騒がせもしました。



 そこでされた、JA新ふくしまの土壌スクリーニング担当・紺野さんのプロジェクトについての説明は力強く、 続きを読む

11月15日(木)のワークショップ


 11月12日の週は長野県生協連木下さん、コープとうきょう依田さん、日生協田中さんに来福いただきました。
 毎週最終日作業後恒例のワークショップには、長野へ昼で戻られた木下さん以外のお2人、JA新ふくしま紺野さん、そして初日レクチャーに続き福大・石井先生が参加されました。

左から依田さん、田中さん、紺野さん、石井先生。
まず、アンケートに記入いただいています

 単純な一泊二日の視察でなく、「実際に作業ができると聞いて来た」と仰る依田さんは「地道な作業の蓄積が、ゆくゆくは大きな力になることがわかった」と、その意義を感じられたとのこと。 続きを読む

10月31日夜の交流会で話されたこと


 先月10月最終週はコープネット齋藤さん、コープとうきょう保坂さんとパルシステム松本さんが来福され、水曜夜恒例の生産農家さんとの交流会には、「ふくしま土壌クラブ」(以下、土壌クラブ)代表の高橋さんが参加してくださいました。
 土壌クラブは福大・小山チームと連動し、11月8日には福島大学主催、文科省前での「霞ヶ関マルシェ」にも参加してきたばかり。しかも、そもそもクラブの皆さんは小山先生と出会う前から、3・11後の福島での土壌計測の必要性に気づき、自ら機器を購入して計測を開始していたと言います。
 美味しい果物をつくり、「仲間でTPPを恐れる人間はいませんでした」と言えるのが当り前なほどの消費者との信頼関係を築き、逞しく、もしかしたら農業本来の理想的なかたちを実践してきた土壌クラブ。
 話に耳を傾けていた県生協連佐藤専務が思わず、
「それはこのボランティアもそうで、そういう、人と人との繋がりが協同組合の原点でもあると思うんです。これからも私はこうして、皆さんとの出会いを大事にしていきたい」
と仰るほど示唆に富む、心籠った言葉が飛び交った夜でした。
 中身を凝縮し、字数で約5000字まで整理しました。なるべくその時の空気までがそのまま伝わるよう、お届けします。

交流会前には、県生協連にて熊谷会長からの挨拶もありました

 高橋 私たちの取組みのきっかけといったら、去年一年間も果物はつくって売ってたんですけれども、もちろんこんなことになるなんて思わずつくってきたわけです。 続きを読む