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ワークショップで語られた言葉(4/18・25)


 初日のレクチャーと3日間の現場作業、その作業に伴うスクリーニング・スタッフとの交流、3日目夜に設定されている地元生産農家さんとの交流会を経て、全国各地から来福されたボランティア皆さんが4日間のプログラム最後にワークショップで語られる言葉に、事務局は勉強させていただいています。

 これから少しずつ、数ヶ月分にわたる大切なそれらをまとめていきます。

4/18(木)

お馴染み、どじょスク!拠点であるJA新ふくしまでのワークショップの様子

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6月5日(水)の交流会


 去る6月5日(水)の交流会、どじょスク!も大変お世話になっています、「ふくしま土壌クラブ」から、斎藤隆雄さんに参加いただきました。
 ありがとうございました。
 斎藤さんのお言葉が、そもそも311前からの、真摯な農業への姿勢が、この未曾有の原発災害に立ち向かう上で頼もしく、貴重な力となっている証のように感じました。
 以下、お伝えいたします。

ボランティア参加いただいた山根さん、活力溢れる大阪の息吹、ありがとうございました。毎週お世話になっている大阪いずみ市民生協様、大変助かっております。深謝いたします。

 植物を栽培することについての、最も基本的な部分の自分の考え方なのですが、人間を育てるのとほぼ一緒です。

 主体はあくまでも植物(果樹や野菜)にあって、人間の役割はその成長を手助けすることにあります。つまり、美味しい果物・野菜が育つ環境を整える、人間のできるレベルで手助けするということです。

 そしてその環境を将来に渡って維持していくことは、未来の人たちに対する責務でもあると思っています。 続きを読む

賀川督明氏の講演


 5月25日(土)、東京は新宿、パルシステム連合会本部にて、生活サポート生活協同組合・東京(パルシステム連合会と生活クラブ生協・東京が設置した相談生協)第7回通常総会記念講演「今こそ『くらしの安心・安全』を」に参加させていただきました。

 土壌スクリーニング・プロジェクト(以下、どじょスク)が続くにつれ、「これは本当の福島復興の根幹となる」との想いは強くなります。

 そして、その継続について考えるほど感じるのは、膨大かつ、極限まで地味な作業のどじょスクをボランティアで支える「協同組合」の底力。東北大震災から3年目に入り、メディアはもとより、日々の生活に追われる県外の一般市民にしても福島、東北について意識を持ち続けるのは簡単ではありません。また、もし気にかけていても、個人では現地に貢献できる活動が難しいのは言わずもがな。その時、これほど力を発揮できる全国組織は、すぐには他に頭に浮かびません。

 そこで「そもそも協同組合とは?」との問いを突き詰めた時、必ず辿り着く人物が「賀川豊彦」です。拝聴したのは、氏の孫にあたり、賀川記念館館長を務める賀川督明氏の講演でした。 続きを読む

2013年5月15日(水)の交流会


  更新滞り気味な事務局ブログ。国内外からの来客と現場視察、プロジェクトアピール用の新たなDVD制作、夏に控える諸々イベントの準備に追われています。
 福島からお届けしたい出来事、語られた言葉は恒常的にある中で、今週水曜夜に行われた交流会も印象的で、胸に響くものでした。
 今回ご参加いただいた地元生産農家さんは、伊達市月舘町の宿泊施設「つきだて花工房」で直売所を運営される千葉英行さん。福大・朴先生にご紹介いただきました。

今週来福いただいたボランティアは、コープ共済連・小島様、日生協関西地連・小川様、大阪いずみ市民生協・谷様。プロジェクトには福大・小山チームから朴先生、林先生の支援も加わり、前進しています

  月舘町は、高い線量から「帰還困難区域」、「居住制限区域」等々に指定され、期せずして、原発事故でふりかかった苦難と共にその名が全国区となってしまった飯舘村や川俣町に隣接しています。
 町には、昔は5000人以上いた町民も今は3000人以下。限界集落も多く、そんな場所で何かをしようとする時、行政とケンカしても勝負にならない。だからこそ「1人ずつでも、仲間を増やそう」という気持ちでここまできたと、千葉さん。その、地域の声を代弁されてきた言葉には、揺るがぬ説得力がありました。

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ネバダ州ラスベガス・核実験博物館訪問


 先日のロス出張、学会AAGでの報告を終え、一路ラズベガスへ向かいました。
 目的は核実験博物館

 一大核実験場だったネバタ州に、その半世紀にも及ぶ記録を残すため、賛否両論巻き起こしながら、2005年に開館した国立の施設です。

 展示内容は基本、「アメリカは歴史上ナチス、ソ連、日本といった敵との闘いのため核開発に邁進し、そのために必要な核実験を行い、それも地上から地下に移し、また、ぬかりなく防護対策もしてきたことを証明しようするもの」という説明では、乱暴過ぎでしょうか。 続きを読む

新年度の幕開け


 思い返すと、3/30(土)汐留シオサイトでの「東北応援ビレッジ」が、年度末から新年度に切り替わる、大きな節目でした。
 心に残っているのは、土壌スクリーニング・プロジェクトのJA新ふくしま担当・紺野茂美氏のバンド「縁屋<ENYHA>」の演奏。中でも、「神戸から東北に唄い継がれ、福島ではオレたちが唄い継ぐ」と仰る「満月の夕」の余韻に、この1週間浸っています。

 おかげで、素晴らしい新年度の幕開けになりました。
 ビレッジ参加に導いてくださった日生協・尾崎さん、JCN福島担当・鈴木さん他、ボランティアやご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 今週は、本来月曜日にあるレクチャーも、福島大で辞令式があったため火曜日に。 続きを読む

ワークショップで語られた言葉


 土壌スクリーンング・ボランティアとして来福してくださった皆様に用意しているのは、まず初日、福島大学・石井秀樹先生による、時には5時間にも及ぶ放射能、プロジェクトの意義と福島の現状についてのレクチャー。

毎週反響の大きい、熱の籠った石井先生のレクチャーですが、現在映像化の準備をすすめています。または、ここで右端に写っている福大・小山チームから朴先生や、さらに別の先生のレクチャーになるかもしれず、調整中です

 その後2、3日目日中の現場作業を経て、3日目夜には地元生産農家さんとの交流会。そして、4日目に改めて丸一日作業していただき、最後に約1時間、JA新ふくしまのプロジェクト担当、紺野氏も同席の上、「ワークショップ」と称する総括、まとめの時間を設けています。

 普段触れていない、考えていない、一般的にはそもそも複雑極まりない放射能、福島の現状についてのレクチャーの感想や質問を、長旅を経て、やっと福島に着いた途端伺うのにも無理があります。

 しかし、現場作業を経て、複雑なレクチャーでの話がじんわり身体に染み渡り、さらには最前線で放射能と格闘されてきた農家さんの生の声を聞き、その上でワークショップで語られる皆様の言葉には、ハッとさせられる要素が詰まっています。

 過去一ヶ月分、紹介いたします。 続きを読む

二本松有機農業研究会・大内信一氏との交流会


 2012年11月21日、福島県の有機農業の第一人者、二本松有機農業研究会・大内信一さんをお招きしての交流会がありました。

 特に有害物質に敏感であろう有機農家にとって、昨年の原発事故がどれだけの衝撃だったかは想像に難くありません。しかし事故直後、ガソリンの確保もできてないうちから、「やってみなきゃわからんだろう!」と畑を耕しはじめた大内さんの姿には、跡継ぎの御子息も驚かれたといいます。

 たとえ放射性物質が降り注いでも、長い年月とそれこそ命をかけ、丹念につくってきた土の一番いい部分を5センチも剥ぎ取る痛みは筆舌に尽くし難い。そして、降り注いだセシウムを直に受け止めたほうれん草からは高い線量が確認されたのに、その後に育って5月に収穫したほうれん草からは、セシウムは出なかった。加えて長ネギ、玉葱からも放射性物質は検出されない。さらにはじゃがいも、さつまいも等、芋類からも出ませんでした。

 その時大内さんはこう思ったと言います。

「我々は、土の力と作物の知恵に助けられた」

みずみずしく、美しく、そして美味しい、大内さんの野菜

 以下は、大内さんを紹介くださった福大・小山チームの石井秀樹特任助教と県生協連・佐藤専務も交えた、「生産、研究、流通の交流」現場の報告です。 続きを読む

3月4日から一週間


 久しぶりの更新です。「311特需」とでも呼ぶべきか、福島はここ2、3週間、妙な忙しさの中にあった気がします。その節目となった、3月11日から2年目の日までの1週間について、更新します。

 季節と共に、試験栽培などでさらに忙しくなる福大・石井先生。月曜レクチャーは、4月頃から映像に切り替わる準備をすすめています。おのずと、あと数回しか生で聞けないであろう先生のレクチャー、貴重です。

 今週は、予々大変お世話になっているならコープ/CWSさんより西山さん、丸山さん、木村さんのお三方、そして毎週1名ずつ来福してくださる、大阪いずみ市民生協さんより高野さんに、ボランティア参加いただきました。深謝です。 続きを読む

2月18日、作業再開第一週目


 5週間のインターバルを経て、2月18日の週からやっと再開した「土壌スクリーニング・プロジェクト」。それにしても、まるでそれを祝ってくれるかのように中身濃く、賑やかな一週間でした。

 ボランティアに来福されたのは日生協・柳ケ瀬様、コープネット栗原様と藤田様のお三方。作業休止期間も走り回られていた石井先生のレクチャーは、蓋を開けるとさらに充実の内容で、皆さん「これを毎週やっている?」、「しかも知らないことだらけ」と驚かれていました。

 柳ケ瀬さんは、「一般的な『汚染』の理解として、一度放射線に当たったらそれが『汚染だ』と、ちゃんと理解している人間がまわりにもいない。 続きを読む